「就活にはお金がかかる」と先輩に言われたことはありませんか?実はその言葉、ただの噂ではなく現実なんです。移動費、スーツ代、宿泊費…すべてを合わせると10万円以上かかることも。
費用面の不安で、納得のいく就活ができないなんてことは避けたいですよね。今回は、就活にかかるお金の内訳と、その出費を抑えるための現実的な節約術をまとめました。将来を左右する大切な就活を、経済的にも無理なく乗り切るためのヒントが満載です。
就職活動にかかるお金は10万円以上!
就職活動にはどれくらいお金がかかるのか。これは多くの就活生が抱える不安のひとつです。実際、リクナビの調査によれば、就活でかかる費用は10万円〜20万円程度が相場だとされています。
主な出費は「交通費」
就活費用のなかでも最も大きな割合を占めるのが交通費です。企業説明会や面接に向かうためにかかる費用は、1回の訪問で1,000円〜2,000円程度かかります。これが複数社、何度も重なることで、最終的には数万円〜5万円以上になることも珍しくありません。
選考が進むほどに企業訪問の回数も増え、特に10社以上エントリーしている場合は、3次面接や最終面接まで進むごとに出費がかさむ計算になります。
地方学生は出費が1.5倍に跳ね上がる
特に負担が大きいのは地方学生です。都内や都市部の企業に応募する場合、移動距離が長いため交通費も高額になり、選考によっては宿泊費も必要です。ビジネスホテル1泊で6,000円〜10,000円前後。この出費が何度も続けば、20万円を超えるケースもあります。
アルバイトや親の援助では追いつかない?
もちろん親からの仕送りや、アルバイト収入を使って就活費用を捻出している学生も多いですが、就活が本格化するとバイトに充てる時間が減り、収入が激減する可能性もあります。限られた資金でいかに効率よく活動するかが、就活を成功させるカギになるのです。
就活準備に必要なお金
就職活動にかかる費用は、企業を訪問するための交通費だけではありません。スーツやバッグなどの衣類費、資格取得のための書籍代、外食費や宿泊費などの生活コストも含めると、出費はさらに膨らみます。
スーツやバッグなどの衣類費
就活では、清潔感のある服装が求められます。そのためリクルートスーツやバッグ、ネクタイ、シャツなど一式揃える必要があります。中にはスーツを2〜3着用意する学生も少なくなく、総額は10万円前後に及ぶこともあります。
リクルートアイテムの相場例:
- リクルートスーツ(2〜3着):約4〜5万円
- ビジネスバッグ:1万円
- ネクタイ:1本5,000〜7,000円
- シャツ(4〜5枚):2〜3万円
- 靴下やストッキングなどの小物:5,000〜1万円
試験対策の書籍・資格受講料
SPIや企業別の筆記試験対策として、書籍を2〜3冊購入する人が多いです。1冊あたり1,500〜2,000円程度。また、MOS(Word・Excelなど)などの資格取得を目指す人は、受講料も追加で必要になります。
外食費や交際費
就活中は移動が多く、1人で外食する回数も増加します。1食あたり600〜700円とすれば、10回外食すれば約7,000円。さらに、情報交換を目的とした就活仲間との食事会なども増えるため、2〜3万円程度かかることも珍しくありません。
宿泊費
地方から都市部の企業に選考を受けに行く場合、前泊が必要になるケースも多いです。一般的なビジネスホテルでは1泊6,000〜7,000円が相場。場合によってはネットカフェや民宿を活用する人もいますが、それでも宿泊費は避けて通れない出費です。
就職活動は「交通費+就活準備費」の合算で、最低でも10万円前後の支出は想定しておくべきです。予算が限られている学生にとっては、戦略的に出費を管理する力も必要になります。
就活にかかる費用を節約する6つのポイント
就職活動にはある程度の出費がつきものですが、工夫次第で出費を抑える方法も存在します。ここでは、金銭的負担を少しでも軽くするための節約ポイントを6つご紹介します。
1. WEB説明会やWEB面接を活用する
地方在住の学生は、WEB面接・WEB説明会をフル活用することで、交通費を大幅に削減できます。スカイプやZoomなどのオンラインツールを導入している企業も増えているため、エントリーの際にオンライン対応の有無を確認しましょう。
2. 1日に複数社の選考をまとめて受ける
交通費の効率化には、同じ地域の企業の選考を1日にまとめることが有効です。移動回数を減らせば、その分出費も減ります。ただし、1日3社程度が集中力を維持できる限界なので、詰め込み過ぎには注意が必要です。
3. バッグや小物は中古・アウトレットで探す
リクルートバッグなどは中古でも十分実用可能です。スーツ以外の小物類は新古品やアウトレット商品で費用を抑えられるため、リユースショップやフリマアプリを上手に活用しましょう。
また、大手アパレルショップでも就活用アイテムが格安で手に入ることがあります。予算に応じて店舗を見て回ってみるのもおすすめです。
4. 格安の交通手段を利用する
新幹線は便利ですがコストが高いため、高速バスやLCC(格安航空会社)を利用することで、片道数千円に抑えられる場合もあります。体力的な負担はありますが、出費を大幅にカットできます。
5. 宿泊はネットカフェや民宿を活用
宿泊が必要な場合、ビジネスホテルではなくネットカフェや民宿、シェアハウスを検討しましょう。1泊2,000〜4,000円で利用できる場所も多く、連泊時の割引がある施設もあります。
6. 自炊やおにぎりで外食を減らす
外食を減らすことも効果的な節約術です。自宅で簡単なお弁当やおにぎりを用意するだけでも、1日数百円の節約につながります。毎日のことなので、トータルで見ると大きな差になります。
「お金がないから就活ができない」という状況にならないよう、こうした節約術を上手に取り入れて、賢く就職活動を進めていきましょう。
出費を考慮して就活用の貯金を貯めておこう
就職活動には想像以上にお金がかかるものです。しかも、実際に活動を始めてからでは、資金の準備が間に合わないケースも多々あります。そのため、大学や専門学校に入学した段階から、就職活動に備えて貯金を始めることが理想的です。
例えば、月1万円ずつ貯金しておけば、3年間で36万円、4年間で48万円と、かなりの金額を準備することが可能です。この程度の金額があれば、スーツや交通費、宿泊費に加えて、突然の出費にも柔軟に対応できるはずです。
中には、「お金が足りないから第一志望の会社を受けるのを諦めた」「就活を早めに切り上げて妥協して内定を取った」という人もいます。そんな後悔をしないためにも、早い段階から就活用の貯金をコツコツ続けていくことが、理想のキャリアに近づく第一歩になります。
内定後や入社後のお金も忘れずに蓄えておくべし
就職活動が終わって一安心…と思ったのも束の間、内定後や入社後にも出費は続きます。特に、一人暮らしを始める人にとっては、入社準備のための費用や新生活の生活費など、大きな出費が待ち受けています。
まず知っておきたいのが、初任給の支給時期は5月中旬から下旬が一般的であるということ。それまでは、無収入の状態で家賃や食費、交通費などをまかなう必要があります。引っ越し代や家具・家電の購入費もかさむため、10万円〜20万円以上の出費が想定されることも珍しくありません。
そのため、就活と並行して内定後の資金計画も立てておくことが重要です。バイトなどで少しずつ貯めるのも良いですが、急な出費に備えて「内定後用の生活予備資金」として最低でも10万円は確保しておくことをおすすめします。
就活も入社準備も、計画的な貯蓄が未来の自分を救うのです。
まとめ
就職活動には想像以上のお金がかかります。選考にかかる交通費はもちろん、スーツやバッグといった準備品、試験対策の書籍、外食や宿泊などの出費が重なることで、合計10万円以上が必要になることも珍しくありません。特に地方在住の学生にとっては1.5倍以上の費用がかかるケースもあり、経済的負担は大きいものです。
しかし、Web面接の活用や1日複数社の選考受験、中古品や格安交通機関の利用など、工夫次第で費用を抑えることも可能です。また、就活中だけでなく、内定後や入社後にも出費は続くため、計画的な貯蓄が重要となります。
「お金がないから就活をあきらめる」なんてことがないように、事前に費用を知り、しっかりと対策を立てて、悔いのない就職活動を送りましょう。