SES（システムエンジニアリングサービス）営業は、「IT業界で働く営業職」として注目されていますが、一方で 「ノルマが厳しい」「エンジニアとの板挟み」「契約形態が複雑で覚えることが多い」 など、厳しい一面もあります。
実際のところ、SES営業は本当にきついのでしょうか？ 本記事では、SES営業の仕事内容や年収、なぜきついと言われるのかを具体的に解説 します。さらに、SES営業で得られるスキルやキャリアパス、転職先の選択肢についても詳しく紹介 していきます。
SES営業を目指している方、現在SES営業をしていて転職を考えている方にとって、役立つ情報をまとめました。ぜひ最後までご覧ください！
SES営業とは？仕事内容を紹介
SES（システムエンジニアリングサービス）営業は、ITエンジニアを企業に派遣する 「人材営業」 の仕事です。一般的なIT営業と異なり、システムやソフトウェアを売るのではなく、エンジニアという人的リソースを提供する のが特徴です。
SES営業の主な仕事内容
1. クライアント（企業）の新規開拓
SES営業の最大のミッションは、エンジニアを必要としている企業（クライアント）を見つけ、契約を獲得することです。
- 企業へのアプローチ（テレアポ・飛び込み営業・紹介営業など）
- 企業の人材ニーズのヒアリング
- SES契約の提案と交渉
2. エンジニアのマッチング（案件探し）
クライアントが求めるスキルや経験を持つエンジニアを社内で探し、適切な人材を提案する 仕事です。
- エンジニアのスキルシート（職務経歴書）を整理
- クライアント企業とエンジニアの条件をマッチング
- 面談（商談）の設定
3. 契約交渉・締結
SESの契約は エンジニア・企業・自社の三者間で結ばれる ため、契約内容の調整が重要です。
- 契約形態の確認（準委任契約・派遣契約など）
- 単価の交渉（エンジニアの給与と利益率を決定）
- 契約締結後のフォロー
4. 稼働中のエンジニアのフォローアップ
エンジニアが契約先で働き始めた後も、定期的なフォロー を行うのがSES営業の役割です。
- エンジニアの業務状況の確認
- クライアントからの評価・フィードバックの収集
- 契約更新やプロジェクト変更の調整
SES営業の特徴
✅ エンジニアと企業をつなぐ「人材マッチング営業」
✅ 契約や単価の交渉が多く、調整力が必要
✅ IT業界の知識（プログラミングやインフラ）が求められる
✅ エンジニアとの信頼関係構築がカギになる
SES営業は 「エンジニアのキャリア支援」と「企業のIT人材不足を解決する」 という役割を担う仕事ですが、その分、独特の難しさやストレスがある職業 でもあります。
SES営業の年収
SES営業の年収は、企業の規模やインセンティブ制度の有無によって大きく異なります。一般的に、SES営業は 基本給＋インセンティブ という給与体系が多いため、営業成績が収入に直結するケースがほとんどです。
SES営業の平均年収
| キャリア | 年収の目安 |
|---|---|
| 新人（1～3年目） | 300万～450万円 |
| 中堅（4～7年目） | 450万～700万円 |
| ベテラン（8年以上） | 700万～1,000万円以上 |
| マネージャー・管理職 | 800万～1,500万円以上 |
給与体系の特徴
1. 基本給＋インセンティブ制度
SES営業は 「新規案件の獲得」や「契約更新率」によって報酬が変動する」 企業が多く、成果主義の色が強い のが特徴です。
✅ 新規契約の獲得数や売上に応じてボーナスが増加
✅ エンジニアの単価が高いほど、自社の利益が増え、営業の評価も高くなる
✅ 契約更新率が高いほど、安定した収益が確保できる
企業によっては インセンティブが20万円～100万円以上支給される こともあり、実力次第で年収1,000万円超えも可能 です。
2. インセンティブなしの固定給企業もある
一方で、「固定給のみ」の企業もあり、その場合は 年収が400万～600万円程度に落ち着く ケースが多いです。
- 安定志向の人は固定給がある企業を選ぶと安心
- 稼ぎたい人はインセンティブ制度が充実している企業を選ぶのがベスト
SES営業の年収が高い理由と低い理由
✅ 年収が高いケース（800万円以上）
✔ 新規案件を多数獲得している
✔ 高単価エンジニアを複数抱えている
✔ 契約更新率が高く、安定した売上を生み出している
SES営業は 「エンジニアの単価 × 人数 × 稼働月数」 で売上が決まるため、
高単価のエンジニアを多く抱える営業ほど収入が増える 仕組みになっています。
❌ 年収が低いケース（400万円以下）
✘ 新規開拓が苦手で、案件が取れない
✘ エンジニアとの信頼関係が築けず、契約が継続しない
✘ 自社の利益率が低く、インセンティブが少ない
SES営業は 個人の実績がダイレクトに収入に影響する職種 なので、成果が出ないと 給与が上がらない or 転職を考えざるを得ない 状況になりやすいのが現実です。
SES営業がきつい理由5選
SES営業は IT業界の営業職 ですが、「ノルマが厳しい」「エンジニアとの板挟み」「契約が複雑でストレスが多い」などの理由で 「きつい仕事」と言われることが多い です。ここでは、SES営業が厳しいとされる5つの理由を詳しく解説します。
1. 新規開拓の営業が厳しい（テレアポ・飛び込み営業）
SES営業では、新規案件を獲得するために テレアポや飛び込み営業を行う ことが多く、これが大きなストレス要因となります。
✅ SESの営業手法
- 企業リストをもとに 1日100～200件以上のテレアポ
- IT企業へ飛び込み営業 して人材ニーズをヒアリング
- 人脈を活用した 紹介営業（既存クライアントからの紹介）
特に SES未経験者がテレアポや飛び込み営業を強いられるケースが多く、なかなかアポイントが取れずに精神的にきついと感じる人が多いです。
2. エンジニアと企業の板挟みになりやすい
SES営業は エンジニアと企業の間に立つポジション のため、両者の意向が合わないと 板挟み状態 になってしまいます。
❌ エンジニア側の不満
- 「希望の案件と違う」（スキルに合わないプロジェクトにアサインされる）
- 「単価が安すぎる」（営業が自社利益を優先し、低単価で契約するケース）
- 「勤務環境が悪い」（長時間労働・職場の人間関係が悪い）
❌ クライアント側の不満
- 「エンジニアのスキルが想定より低い」
- 「契約期間を延長したいのに、エンジニアが辞めたいと言っている」
- 「費用が高すぎる」（他社と比較され、単価交渉が難航する）
このように、エンジニアと企業の双方の不満を調整しながら仕事を進めなければならない ため、精神的に疲れる営業職です。
3. ノルマが厳しく、数字に追われる
SES営業では、毎月 「新規契約〇件獲得」「エンジニアの稼働率〇%維持」 などの厳しいノルマが設定されることが多いです。
✅ SES営業のノルマの例
- 新規契約〇件／月（案件獲得）
- エンジニアの稼働率〇%以上（待機者を減らす）
- 契約更新率〇%以上（契約終了を防ぐ）
未達成が続くと上司から詰められ、精神的なプレッシャーが大きい のが特徴です。また、SESのビジネスモデル上、新規案件を取り続けないと売上が維持できないため、ノルマが永遠に続く のもきついポイントです。
4. IT知識が必要だが、独学しないとついていけない
SES営業では、ITエンジニアのスキルやプロジェクト内容を理解しないと、企業に適切な提案ができません。
しかし、多くのSES営業は未経験でIT業界に入るため、最初の壁となるのが「IT知識不足」 です。
❌ 未経験者が苦しむポイント
- プログラミングの基礎（Java・Python・PHPなど）が分からない
- サーバー・ネットワーク・クラウドの仕組みが理解できない
- エンジニアのスキルシート（職務経歴書）の読み方が分からない
基本的に、企業は エンジニアのスキルや経験を見て採用を決めるため、営業がそれを理解していないと適切な提案ができない という問題があります。
IT知識がないまま入社すると、最初の3～6か月は毎日IT用語を勉強しながら営業しなければならず、非常にストレスがかかる 仕事です。
5. 契約や単価の交渉がシビアで、利益が出しにくい
SESのビジネスモデルは エンジニアの単価と、自社の利益率 によって収益が決まります。そのため、営業としては できるだけ高単価で契約したい ですが、クライアントは「少しでも安く契約したい」ため、交渉が非常にシビアになります。
✅ 単価交渉の難しさ
- クライアントは 他のSES企業と比較して値下げ交渉をしてくる
- エンジニアは 「もっと高単価の案件を探してほしい」と要求する
- 営業のミスで 利益率が低い契約をしてしまうと、会社に損害を出してしまう
「高単価を取らなければ利益が出ないが、値下げしないと契約が取れない」 というジレンマの中で営業活動をするため、非常にストレスが大きい仕事です。
SES営業で得られる能力5選
SES営業は 「きつい」と言われる職業 ですが、その分 営業力・交渉力・IT知識・問題解決力 など、他の業界でも通用するスキルが身につきます。ここでは、SES営業を経験することで得られる5つの重要な能力を紹介します。
1. 営業力（提案力・交渉力）
SES営業の基本業務は エンジニアを企業に提案し、契約を獲得すること です。そのため、ヒアリング能力・提案力・交渉力 が鍛えられます。
✅ 身につく営業スキル
- クライアントの課題をヒアリングし、最適な提案をする力
- 契約獲得のための 交渉力・プレゼンテーション能力
- エンジニアの希望を聞きながら、適切な案件にマッチングする調整力
これらのスキルは、保険営業・不動産営業・IT営業・コンサルティング営業 など、他業界の営業職でも活かせます。
2. IT業界の知識（プログラミング・インフラ・DX）
SES営業は、エンジニアのスキルやプロジェクト内容を理解しないと適切な提案ができません。そのため、業務を続けるうちに自然と IT業界の知識 が身についていきます。
✅ 身につくIT知識
- プログラミングの基礎知識（Java・Python・PHPなど）
- サーバー・ネットワーク・クラウドの基礎知識
- DX（デジタルトランスフォーメーション）に関する知識
この知識があると、ITコンサルタント・プロジェクトマネージャー（PM）・ITエンジニアへのキャリアチェンジ も可能になります。
3. 問題解決力（エンジニアと企業の調整力）
SES営業は エンジニアと企業の板挟み になりやすいため、両者の意見を調整する 問題解決能力 が求められます。
✅ 身につく調整スキル
- エンジニアの不満をヒアリングし、適切にフォローする力
- クライアントの要望を整理し、納得のいく提案をする力
- 契約交渉やトラブル発生時の対応力
このスキルは、カスタマーサクセス・人事（採用・労務）・プロジェクトマネージャー（PM） などの職種で活かせます。
4. 契約交渉力（単価交渉・利益率の調整）
SES営業は、エンジニアの単価や契約条件を決める交渉 が重要な仕事です。契約ごとに利益率を計算し、自社の利益を確保しながらも、エンジニアとクライアントの双方が満足する条件を調整 しなければなりません。
✅ 身につく契約交渉スキル
- 利益率を計算しながら契約をまとめるスキル
- 値下げ交渉・高単価契約の獲得スキル
- 契約更新・長期契約を維持する交渉力
このスキルは、営業職全般・M&Aアドバイザー・法人向けコンサルタント・フリーランスエージェント などで活かせます。
5. メンタルの強さ（ストレス耐性）
SES営業は、ノルマのプレッシャー・クライアントやエンジニアとの交渉・トラブル対応 など、精神的にハードな仕事です。しかし、これを乗り越えることで 強いメンタルが鍛えられます。
✅ 身につくメンタルスキル
- 厳しいノルマに耐える精神力
- クライアントやエンジニアからのクレーム対応能力
- トラブルが発生しても冷静に対応する力
このスキルは、営業職全般・カスタマーサポート・マネジメント職（管理職） など、幅広い業界で活かせます。
SES営業の将来性
SES営業は、IT業界の人材不足を解決する役割 を担っており、一定の需要がある職種です。しかし、業界の変化やテクノロジーの進化によって、今後の環境は変わっていく可能性があります。ここでは、SES営業の将来性と今後のキャリアについて解説 します。
1. IT人材不足の影響で、SES市場は拡大傾向
日本のIT業界は 慢性的なエンジニア不足 に直面しており、SESを活用した人材確保の需要は今後も続くと予想されます。
✅ IT人材不足の現状
- 2030年までに最大79万人のIT人材が不足する（経済産業省の調査）
- DX（デジタル・トランスフォーメーション）の加速で、企業のIT需要が増加
- 正社員雇用よりもSES・フリーランス活用が進む可能性が高い
このような背景から、SES営業の仕事は当面なくならない と考えられます。
2. 競争が激化し、価格競争に巻き込まれるリスク
一方で、SES企業の増加により、価格競争が激しくなっている という問題もあります。
❌ SES業界の課題
- 企業の単価交渉が厳しくなり、利益率が低下
- 優秀なエンジニアの確保が難しくなり、契約が取りづらくなる
- IT企業が自社エンジニアを直接採用する流れが強まっている
SES市場は拡大傾向にあるものの、営業力や差別化戦略を持たない企業は淘汰される可能性が高い です。
3. フリーランスエンジニアの増加で、SESの役割が変わる
近年、フリーランスエンジニアの増加により、企業が直接エンジニアと契約するケースが増えています。これにより、SES営業の役割も変化する可能性があります。
✅ SESの新たな役割
- 企業のITプロジェクトに最適なエンジニアをアサインするコンサル型営業へ
- フリーランスエンジニア向けのエージェント業務が拡大
- 従来の「人材派遣型」から「案件マッチング型」へシフト
SES営業は、単なる 人材供給ではなく、企業とエンジニア双方に価値を提供する「キャリアアドバイザー」のような役割 へ変化していく可能性があります。
4. AI・自動化の影響で、SES営業の仕事が減る可能性も
AIの発展により、営業業務の一部が自動化される 可能性もあります。
✅ AIが影響を与えるポイント
- 営業のマッチング業務が自動化（AIによる最適な案件マッチング）
- テレアポや契約交渉がAIによって効率化
- 求人マッチングプラットフォームの発展で、企業とエンジニアが直接契約しやすくなる
これにより、SES営業の仕事が単純な「人材マッチング業務」だけの場合、将来的に価値が低下する可能性 があります。
5. SES営業のキャリアパス（今後の選択肢）
SES営業として経験を積んだ後、より市場価値の高い職種にキャリアアップすることも可能 です。
✅ SES営業の将来のキャリアパス
| キャリア | 仕事内容 | 将来性 |
|---|---|---|
| IT営業（法人営業） | ITソリューションやシステムの営業 | ◎ |
| ITコンサルタント | クライアントのIT課題を解決 | ◎ |
| フリーランスエージェント | フリーランスエンジニアのキャリア支援 | ○ |
| M&Aアドバイザー | IT企業の買収・統合支援 | ○ |
| プロジェクトマネージャー（PM） | ITプロジェクトの管理 | ◎ |
特に、ITコンサルタントやプロジェクトマネージャー（PM） への転職は、SES営業の経験を活かしやすく、将来的にも需要が高い職種です。
SES営業のキャリア
SES営業を経験した後のキャリアパスは多岐にわたります。SES業界内でのキャリアアップ や 異業種への転職 など、さまざまな選択肢があります。ここでは、SES営業の主なキャリアパスを紹介します。
1. SES営業としてキャリアアップ（マネージャー・管理職）
SES営業として 実績を積めば、チームリーダーやマネージャー への昇進が可能です。
仕事内容
- 営業チームの管理・教育
- エンジニアの人事・採用計画の立案
- クライアントとの契約交渉のリーダー役
メリット・デメリット
✅ メリット
- マネージャーになると年収800万～1,500万円も可能
- 営業としての実績が評価され、権限が増える
- 新規開拓よりも「組織運営・マネジメント」の仕事が増える
❌ デメリット
- 現場の営業よりもプレッシャーが大きくなる
- エンジニアや営業メンバーの管理業務が増える
「SES営業を続けたいが、給与や権限を上げたい」 という人には適したキャリアパスです。
2. 法人営業（ITソリューション営業・SaaS営業）へ転職
SES営業の経験を活かして、ITソリューション営業やSaaS営業に転職する道もあります。
仕事内容
- 自社のITサービスやSaaS製品を企業に提案・販売
- クラウド・DX関連のシステム導入支援
メリット・デメリット
✅ メリット
- SES営業よりも契約単価が高く、報酬が上がりやすい
- 商材が「人材」ではなく「サービス・システム」なので、安定した収益を得られる
- SES業界特有の「板挟み」がなくなる
❌ デメリット
- 企業によっては営業のノルマが厳しい
- ITの知識（クラウド・SaaS・ネットワーク）がより求められる
SES営業の経験があれば、IT営業（法人営業）への転職はしやすい ため、キャリアアップを狙うなら良い選択肢です。
3. ITコンサルタント（IT業界の課題解決）へ転職
SES営業で培った IT知識・契約交渉力・問題解決力 を活かして、ITコンサルタントにキャリアチェンジすることも可能 です。
仕事内容
- 企業のDX（デジタルトランスフォーメーション）支援
- ITシステム導入・業務改善のコンサルティング
- IT戦略の提案・プロジェクトマネジメント
メリット・デメリット
✅ メリット
- IT業界の知識をさらに深められる
- クライアントの経営課題を解決する、付加価値の高い仕事
- 給与水準が高く、年収1,000万円超えも可能
❌ デメリット
- ITコンサルタントは専門知識が求められ、ハードルが高い
- プロジェクトの進行管理が厳しく、長時間労働になりがち
SES営業の経験を活かし、IT業界の課題解決に関わりたい人には最適なキャリア です。
4. プロジェクトマネージャー（PM）へ転職
SES営業では エンジニアと企業の調整業務 が多いため、プロジェクトマネージャー（PM）への転職も可能 です。
仕事内容
- ITプロジェクトの進行管理・納期調整
- エンジニアのアサイン・リソース管理
- クライアントとの要件定義・折衝
メリット・デメリット
✅ メリット
- IT業界でのキャリアを継続できる
- 営業職よりも専門職寄りの仕事になる
- 年収800万～1,200万円を目指せる
❌ デメリット
- プロジェクトの遅延リスク・トラブル対応が発生する
- 管理業務が増えるため、現場での営業活動は減る
SES営業の経験を活かして ITプロジェクトのマネジメントに携わりたい人におすすめ です。
5. フリーランスエージェント（独立してSES営業をする）
SES営業のスキルを活かして フリーランスのエージェント として独立する人も増えています。
仕事内容
- 企業とフリーランスエンジニアをマッチングする
- IT人材の案件紹介・契約交渉・キャリア支援
メリット・デメリット
✅ メリット
- SES営業で築いた人脈を活かして独立できる
- 成功すれば年収1,000万円以上も可能
- 会社のノルマや制約がなくなる
❌ デメリット
- 安定した収益を得るのが難しい
- 営業スキルだけでなく、契約管理や経理業務も必要
「SES営業としての経験を活かしつつ、自分で自由に仕事をしたい」 という人には向いています。
同じ業界のおすすめの就職・転職先企業5選
SES営業としての経験を活かし、より働きやすい企業や待遇の良い企業に転職する という選択肢もあります。ここでは、SES業界の中でおすすめの転職先企業を5社紹介します。
1. フューチャーアーキテクト（高単価SES＋コンサル要素）
特徴
- SESだけでなくITコンサルティングも提供 しており、付加価値の高い営業が可能
- SES業界では珍しく、エンジニアの単価が高め（契約単価100万円以上の案件も多数）
- 業界の中では高年収で、平均年収800万円以上
おすすめポイント
✅ SES営業の経験を活かしながら、高単価の案件を扱える
✅ ITコンサルタントへのキャリアアップも視野に入れられる
✅ 営業のインセンティブ制度が充実しており、高収入を狙いやすい
2. パーソルテクノロジースタッフ（大手人材会社のSES部門）
特徴
- パーソルグループ（テンプスタッフ）のIT派遣・SES事業 を担当する企業
- 大手クライアントが多く、SES契約の安定性が高い
- エンジニアの教育・スキルアップ支援が充実しており、長期的な関係を築きやすい
おすすめポイント
✅ 営業ノルマが厳しくなく、安定した案件を提案できる
✅ 大手企業のバックボーンがあるため、労働環境が整っている
✅ IT業界の人材派遣・紹介事業にも関われるため、転職後の選択肢が広がる
3. クリーク・アンド・リバー社（エージェント型SES＋クリエイター向け案件）
特徴
- エンジニアだけでなく、クリエイター（デザイナー・映像制作者）のSESも扱う企業
- 大手企業との取引実績が多く、高単価案件を多数保有
- SES営業の枠を超えて、人材マネジメントやキャリアコンサル業務も経験できる
おすすめポイント
✅ IT＋クリエイティブの両方の業界に関われる
✅ SES営業から人材エージェント・コンサルタントへのキャリアパスがある
✅ 契約更新率が高く、長期契約を獲得しやすい
4. SHIFT（エンジニア派遣＋テスト自動化サービス）
特徴
- ソフトウェアテスト・品質保証の専門企業 で、エンジニア派遣（SES）事業も展開
- クライアントのDX推進をサポートするSES営業ができる
- ITコンサル業務にも関われるため、SES営業からキャリアアップしやすい
おすすめポイント
✅ SES営業＋ITコンサルのスキルを学べる
✅ クライアントの課題解決型の営業スタイルが取れる
✅ 成長企業のため、年収アップのチャンスが多い
5. レバテック（フリーランスエージェント＋SES事業）
特徴
- SESとフリーランスエージェントの両方を運営している企業
- フリーランス向けの案件紹介もできるため、SES営業の経験を活かして独立支援が可能
- フリーランスエンジニアとの関係構築ができるため、将来的にエージェントビジネスにも関われる
おすすめポイント
✅ フリーランスエンジニア市場に関われるため、今後のキャリアの選択肢が増える
✅ SES営業からITエージェントやキャリアコンサルタントへの転職が可能
✅ 人材紹介業のノウハウを学べるため、独立しやすい
同じ業界内で転職する場合に必要な実績や能力
SES営業として より良い企業へ転職するためには、どのような実績やスキルが求められるのか を知ることが重要です。SES業界内での転職では、営業成績やIT知識、契約交渉力などが評価されるポイントとなります。
1. 営業成績（売上・契約件数）の実績
SES営業は成果主義の企業が多いため、転職の際には営業実績が重視されます。
具体的な評価ポイント
- 年間の売上実績（○千万円～○億円）
- 新規案件の獲得数（月○件以上）
- 契約更新率（○%以上）
- エンジニアの単価アップ率（単価○%向上）
営業成績が優秀な場合、より高単価なSES企業や外資系IT企業への転職が有利 になります。
2. 顧客とのリレーションシップ構築力
SES営業では、新規案件を取るだけでなく、長期的な取引を維持できるかどうか も評価されます。
評価されるスキル
✅ 既存クライアントとの契約継続実績（長期取引を継続した経験）
✅ 顧客のニーズを把握し、追加案件を獲得した実績
✅ 法人営業の経験（IT企業やエンジニア派遣のBtoB営業）
特に 「大手クライアントとの長期契約を維持した実績」 は、SES営業としての市場価値を高める要素となります。
3. IT知識（エンジニアのスキル理解）
SES営業は ITエンジニアをクライアントに提案する仕事 のため、最低限のIT知識が必要です。
評価される知識・スキル
✅ プログラミングの基礎（Java・Python・PHPなど）
✅ クラウド（AWS・Azure・GCP）の基本知識
✅ ネットワーク・インフラの概要理解
✅ ITプロジェクトの流れを把握していること
企業によっては、IT資格（基本情報技術者・AWS認定資格など）を持っていると、SES営業としての評価が上がる ケースもあります。
4. 契約交渉力（単価アップ・利益率調整）
SES営業の仕事では、エンジニアの単価設定や契約交渉が重要 になります。
評価されるスキル
✅ 契約単価の交渉経験（単価○%向上した実績）
✅ 企業とエンジニアの利害を調整し、Win-Winの契約を締結した経験
✅ 契約更新率が高い（○%以上の契約継続率）
単価交渉が得意な営業は、SES業界内でも高評価を得やすく、年収アップの転職がしやすい です。
5. マネジメント経験（チームリーダー・マネージャー経験）
SES営業の中でも、マネジメント経験があると、転職市場での価値が上がります。
評価されるスキル
✅ 営業チームのリーダー経験（部下○人の育成・管理）
✅ エンジニアのアサイン調整・管理の経験
✅ 組織のKPI管理・営業戦略の立案経験
マネジメント経験があると、SES企業の営業部長や支店長などのポジションに転職しやすくなり、年収800万～1,500万円を狙うことも可能 です。
他業界のおすすめの就職・転職先企業5選
SES営業の経験を活かして、他業界へ転職する という選択肢もあります。SES営業で培った 営業力・交渉スキル・IT知識 は、他業界でも高く評価されるため、転職のチャンスは十分にあります。ここでは、SES営業からの転職におすすめの業界と企業を5つ紹介します。
1. ITソリューション営業（SaaS・クラウド系）
おすすめ企業
- Salesforce（セールスフォース）（CRMソリューション）
- freee（クラウド会計）（会計・経理向けSaaS）
- マネーフォワード（フィンテック系SaaS）（クラウド経理・給与管理）
- サイボウズ（グループウェア）（チームコラボレーションSaaS）
- Google Cloud（クラウドサービス）（企業向けクラウド導入）
転職に向いている人
✅ SES営業で培ったIT知識を活かしたい人
✅ SESの人材営業よりも、製品・サービスを売る仕事がしたい人
✅ ストック型ビジネス（契約更新型）で安定収益を狙いたい人
ポイント
- SaaS（クラウドサービス）の営業は成長産業で、給与水準が高い
- SES営業の「法人営業経験」が評価されやすい
- IT知識が活かせるため、未経験でも転職しやすい
2. ITコンサルティング業界（DX・業務改革）
おすすめ企業
- アクセンチュア（総合コンサル）（DXコンサル・クラウド導入支援）
- デロイト トーマツ コンサルティング（外資系）（デジタル戦略コンサル）
- アビームコンサルティング（日系コンサル）（ERP・データ活用コンサル）
- 野村総合研究所（ITコンサル＋システム開発）（企業向けITソリューション）
- ベイカレント・コンサルティング（戦略＋ITコンサル）（日本発のコンサル企業）
転職に向いている人
✅ SES営業で培ったIT知識・交渉力をさらに活かしたい人
✅ クライアントの課題解決に関わる仕事がしたい人
✅ SES営業から年収を大幅にアップさせたい人（1,000万円超も可能）
ポイント
- 企業のDX支援や業務改革に関われる、影響力の大きい仕事
- SES営業で得た「エンジニアとの調整力・契約交渉スキル」が活かせる
- 転職後の年収アップ率が高く、キャリアの成長スピードが速い
3. 人材紹介・エージェント業界（IT特化型）
おすすめ企業
- レバテック（ITフリーランス支援）（SES営業から転職しやすい）
- ギークリー（IT業界特化の転職支援）（エンジニア・IT営業向け）
- マイナビエージェント（総合人材紹介）（幅広い業種の転職支援）
- パーソルキャリア（doda運営）（IT業界向けの転職支援）
- リクルートエージェント（業界最大手）（求人数が圧倒的）
転職に向いている人
✅ SES営業で培った「エンジニアとのマッチングスキル」を活かしたい人
✅ ITエンジニアのキャリア支援に興味がある人
✅ クライアントと求職者のマッチングにやりがいを感じる人
ポイント
- SES営業のスキル（契約交渉・マッチング力）がそのまま活かせる
- SESよりも「人材キャリア支援」寄りの業務が増える
- 固定給＋インセンティブ制度が充実しており、高収入を狙える
4. 不動産業界（法人向け不動産営業・資産運用コンサル）
おすすめ企業
- 三井不動産リアルティ（法人向け不動産営業）
- 住友不動産販売（不動産売買＋投資向け営業）
- 野村不動産ソリューションズ（高額物件の営業）
- 東急リバブル（投資用不動産の営業）
- 大京穴吹不動産（資産運用コンサルティング）
転職に向いている人
✅ SES営業で培った「法人営業スキル」を他の業界で活かしたい人
✅ 不動産投資や資産運用に興味がある人
✅ 成果報酬型の営業で高収入を狙いたい人
ポイント
- SES営業と同様に「提案力・交渉力・契約交渉」が求められる
- 高額商材（不動産）を扱うため、SES営業よりも単価が高い
- 成果を出せば年収1,000万円以上も可能
5. 金融業界（M&A・投資銀行・法人融資）
おすすめ企業
- 日本M&Aセンター（中小企業向けM&A仲介）
- GCA（M&Aアドバイザリー）
- 野村證券（法人営業・資産運用コンサル）
- 三菱UFJ銀行（法人向け融資・資産運用）
- SMBC日興証券（富裕層向け資産運用営業）
転職に向いている人
✅ SES営業で得た「契約交渉力」をより専門的な分野で活かしたい人
✅ M&A・投資・資産運用に興味がある人
✅ 法人向けの提案営業で年収1,000万円以上を目指したい人
ポイント
- SES営業で培った「契約交渉力・営業スキル」がそのまま活かせる
- 法人向けの資産運用・M&A・投資銀行業務に携われる
- 成功すれば高額報酬を得られるため、高収入を目指しやすい
他業界で転職する場合に必要な実績や能力
SES営業から他業界に転職する際には、SES営業で培ったスキルをどのように活かせるかが重要 です。証券営業と同じく、営業力・交渉力・IT知識・契約管理スキル は、多くの業界で評価されます。ここでは、SES営業から異業種へ転職する際に求められる実績や能力を解説します。
1. 営業成績（売上・契約件数）の実績
営業職への転職では、過去の営業成績が評価基準の一つ になります。
具体的な評価ポイント
✅ 年間売上実績（○千万円～○億円）
✅ 新規案件の獲得数（月○件以上）
✅ 契約更新率（○%以上）
✅ 単価アップ率（単価○%向上）
異業種の営業職（IT・保険・不動産など）に転職する際は、SES営業での営業成績を数値でアピールすると評価されやすい です。
2. 顧客対応力（リレーションシップ構築力）
SES営業では、顧客と長期的な信頼関係を築く力 が求められます。このスキルは、銀行・保険・コンサル業界などの対面型営業職で高く評価される ことが多いです。
評価されるスキル
✅ 富裕層・法人顧客との対応経験
✅ リピーター・長期取引の実績
✅ クレーム対応・アフターフォローの経験
特に、富裕層向けの営業経験がある場合、銀行のプライベートバンカーや不動産業界の高額物件営業などの職種に活かせる 可能性が高いです。
3. IT知識・市場分析力
SES営業で培った ITエンジニアのスキルやプロジェクト内容の理解力 は、他の金融業界やコンサル業界での転職に役立ちます。
評価される知識・スキル
✅ プログラミング・インフラの基礎知識（Java・AWS・ネットワークなど）
✅ IT市場の分析・企業のDX戦略への理解
✅ 企業の財務分析・投資戦略の提案経験（M&A業界向け）
これらの知識を持っていると、IT営業・ITコンサルタント・M&Aアドバイザー・銀行の法人営業職への転職が有利 になります。
4. プレゼンテーション能力（提案力）
SES営業では、クライアントにエンジニアを提案し、納得してもらうための プレゼンテーション能力 が求められます。このスキルは、IT業界の法人営業やコンサル業界の提案業務 に応用できます。
評価されるスキル
✅ ITサービス・SaaSの導入提案経験（SaaS営業向け）
✅ 経営者・法人向けプレゼン経験（M&Aアドバイザー・コンサルタント向け）
✅ 投資セミナー・勉強会の開催経験（金融業界で活かせる）
このスキルを活かすことで、営業職以外のコンサルタントやマーケティング職へのキャリアチェンジ も可能になります。
5. 対人スキル（コミュニケーション能力）
SES営業では、クライアントのニーズを把握し、最適な提案をするために 高いコミュニケーション能力が求められます。このスキルは、営業職に限らず、幅広い業界で活かせます。
評価されるスキル
✅ ヒアリング能力（顧客のニーズを正確に把握する力）
✅ 交渉力・説得力（顧客に納得してもらう力）
✅ クレーム対応力（トラブル時の冷静な対応）
これらのスキルは、保険営業・不動産営業・IT業界の法人営業・コンサル業界などで高く評価 されます。
6. 金融・ビジネス関連の資格（有利になる資格）
SES営業から異業種に転職する際に、以下の資格を持っていると評価が上がる可能性があります。
| 資格 | 転職に有利な業界 |
|---|---|
| AWS認定資格（ソリューションアーキテクト） | ITコンサル・クラウド営業 |
| ファイナンシャル・プランナー（FP） | 保険・銀行・IFA（独立系アドバイザー） |
| 宅地建物取引士（宅建士） | 不動産業界 |
| 証券アナリスト（CMA） | 投資銀行・コンサルティング業界 |
| 日商簿記（2級以上） | 銀行・財務・M&A業界 |
特に、AWS認定資格やファイナンシャル・プランナー（FP）の資格は、IT業界や金融業界への転職に有利 になるため、取得しておくと選択肢が広がります。
まとめ
SES営業は IT業界の営業職 であり、エンジニアとクライアント企業の間に立ち、人材マッチングを行う仕事 です。しかし、「ノルマが厳しい」「エンジニアとの板挟み」「契約交渉が難しい」などの理由から 「きつい」と言われることが多い職業 でもあります。
本記事では、SES営業の仕事内容・年収・きつい理由・得られる能力・キャリアパス・転職先の選択肢 について詳しく解説しました。
SES営業のポイントまとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| SES営業の仕事内容 | ITエンジニアをクライアント企業に提案・契約交渉・フォローアップ |
| 年収 | 成果次第で1,000万円超も可能だが、インセンティブ制度の有無によって大きく変動 |
| きつい理由 | ノルマが厳しく、エンジニアと企業の板挟みになりやすい |
| 得られるスキル | 営業力・交渉力・IT知識・プレゼン能力・メンタルの強さ |
| キャリアパス | SES企業の管理職、IT営業、ITコンサル、フリーランスエージェントなど |
| 同業界のおすすめ転職先 | フューチャーアーキテクト、SHIFT、レバテックなど |
| 他業界のおすすめ転職先 | ITソリューション営業（SaaS）、ITコンサル、人材エージェント、不動産営業、金融業界など |
| 転職に必要なスキル | 営業実績、IT知識、契約交渉力、プレゼン力、資格（AWS認定・FPなど） |
SES営業からのキャリアアップ戦略
✔ SES営業を続けるべきか、転職すべきかを検討する
✔ 自分の強み（営業成績・スキル）を明確にする
✔ SES業界内でキャリアアップするか、異業種へ転職するか決める
✔ 転職を考える場合、SES営業で得たスキルを活かせる業界を選ぶ
✔ 転職活動を始める前に、必要なスキルや資格を準備する
結論：SES営業の経験を活かして、将来のキャリアを広げよう！
SES営業は確かにハードな仕事ですが、培った営業力・交渉力・IT知識を活かせる業界は多岐にわたります。SES営業で得たスキルを武器に、より良い環境で働ける企業を選び、キャリアアップを目指しましょう！
この記事が、SES営業の現状やキャリアの選択肢を考える上で役立てば幸いです。